力を抜く身体目指し古武術稽古

脱力したら体は動かない、きちんと体を動かせた時力の存在は無くなる。そのために構えを創る事に全力を尽くそう。

12歳腰が引ける姿勢は考え方にも現れる

知人の息子さんは新6年生で、身長がグングン伸びている様です。

また陽気な子で、大人の中にでも物落ちせず会話にドンドン入って、自分の想いを口にします。

私が小学生の頃は、大人と会話するのは、両親か学校の先生ぐらいで、そのほかの大人と会話しようものなら、オドオドしてしまい会話などにはならなかった記憶があります。

陰気な性格の者にとっては羨ましい性格です。

ただ気になる事があります。

その子は身長はあるのですが、体重も結構あり、クラスではおデブチームに属しているらしいのです。

どうもクラスにはスマートに物事をこなすチームとそうでないチームがある様で、彼の属するおデブチームは当然後者になり、事あるごとに劣勢の立場となる様です。

そこで彼にスマートになっておデブチームから卒業したらとアドバイスすると、彼は流暢な口調で努力してスマートになるメリットよりおデブのままの方が楽であり、努力しないで生きる方が有意義である事をサラリと言ってのけました。

ま、まあ・・・そんな生き方もあるか・・・と納得させられた様な、何か腑に落ちない感じが引っかかっていました。

そんな彼の立ち姿を見た時に気になった事があったのです。

直立しているにも関わらず膝がやや曲がっていました。

いつもそんな立ち方をしているの?っと聞くと、実は腰や足首が常に痛いと返って来ました。

当然です。立っている間スクワットをしているのと同じ状態で、脚や腰を触ると筋肉がパンパンに張っていました。

脚や腰にストレスのかかるこの立ち方は良くありません。

なぜこの様な立ち方になるのか?その一番の問題点は、腰が後方に引けている事であり、それに伴い自然に膝を折らなければ立つ事ができないのです。

腰が引ける体勢は、足腰に負担が掛かるだけではなく、色々なデメリットがあります。

致命的現象として動きの度に重心が後方に下がってしまいます。

例えば、普通脚を挙げて前に歩こうと脚を出すと、脚を出した方向に重心が移動します。

当たり前です。

だから、自然に無理なく身体が移動できるのです。

しかし、腰が引けた状態で足を上げると、脚を挙げた瞬間重心は一時後方に下がり、その後蹴り足の反力で重心を前方に修正する歩き方になるはずです。

これでは、人一倍地面を蹴らなければ前に進みませんし、体の重みが先に動かず常に動きの後から体が動き出すので身体が重く感じるでしょう。

その様な体をコントロールすることは結構大変疲れるはずです。

子供なのに

年配の方ならともかく、12歳でこれは良くないと思い、なんとかこの子の腰を引き出せる様アドバイス出来ればと考えています。

運動能力を高める条件は色々あると思いますが、武術の経験から重心の扱いが何よりも重要だと思います。

たいそうに言えば自分自身の存在イコール重心と言っても良いぐらい切実な存在です。

この重心を今よりも上手に扱える様になれば、考え方も前に向いておデブチームから羽ばたきたいと思ってくれるかなぁ・・・