力を抜く身体目指し古武術稽古

脱力したら体は動かない、きちんと体を動かせた時力の存在は無くなる。そのために構えを創る事に全力を尽くそう。

ひざカックンが出来れば自然体

人の背後に立ち、その人のひざの裏に自分の膝頭を「キュッ」と当ててうまくいくと、その人のひざが「ガクッ」と崩れる、そんないたずらを子供の頃にした事があると思います。

ひざ関節は、一つの回転軸上に下腿が後方にしか曲がりませんので、この方向には曲がり易い特性があります。なのでその曲がり易い方向に力を加えると弱い力でもひざを折る事ができます。

ちなみに、鶴やフラミンゴは逆のようです。

子供の頃は「カクッ」となっていたのに大人になって大人にしてみても余り「カクッ」となりません。

それは、やる方もやられる方も子供の頃のあの軽やかなステップをいまやってみようと思っても出来ないように大人になると年々ひざに力を入れて立つ傾向が強くなるからだと思います。

まして、年配の方でややひざを曲げて歩かれている方などは、相当ひざ周辺の筋肉を緊張させないと勝手にひざカックンとなるので、そうならないようひざ周辺に力を入れて曲がらないように歩かれています。

歩くためにはひざは曲がったほうが歩き易いですが、曲がらないように歩いたら当然ひざの負担は大きくなるので痛める可能性は高くなるでしょう。

ふくらはぎや太ももは重力に拮抗する筋肉とされていて、立っているだけで力が入ってしまうことは仕方がありません。

 何も意識しなければ、年々力みが強くなる傾向は否めません。

自分では力んでいるつもりは無くても、自分の身体は重力に拮抗する為にどんどん力を入れて支えようとします。ですから自分では力を入れている自覚が無くても過剰に緊張している場面が現れます。

この自覚が無い自分自身の操作が厄介です。

まず、自覚が無いので力を抜こうとは思わないです。そして抜こうとしてもどのように操作すれば力が抜けるのかもわかりません。

それは、無意識にしている事を意識的に操作しようとしてもうまくいかないからです。

無意識に意識を介入させようとすれば、それなりの訓練が必要になるでしょう。

例えば、ひざカックンを意識的にするとふくらはぎの筋肉を緊張させ床の反動を利用してひざを前に出そうとします。

形的にはひざカックンの形ですが、無意識に支えている身体には反応しません。

無意識の身体に介入しようと思えば、無意識っぽい身体の操作が必要になります。

そのためには、何気なくひざカックンが出来ればよいのです。この何気なくが難しく何かしようとすれば、何気なさが無くなり、やります感があふれ出します。

このやります感が意識的な操作となり何気なさがなくなってしまいます。

意識的な何気なさは結構難しいものです。

意識的な何気ないひざカックンは、ふくらはぎの緊張を止めた時ひざの力が抜けてかかとが浮き上がる感じが理想的です。

意識的なひざカックンと何気ないひざカックンの違いを見分ける為に親しい方の後ろに立ち(余り知らない方には行わないように)ひざを後ろからカクッとやってみて下さい。

前の人が「カクッ」となれば余計な力の入っていない自然体で立っていることになるでしょう。