力を抜く身体目指し古武術稽古

脱力したら体は動かない、きちんと体を動かせた時力の存在は無くなる。そのために構えを創る事に全力を尽くそう。

猫背はパフォーマンスが低下する姿勢

電車の車内で長いすに全員背中を丸めてスマホを覗き込む姿を目にすることが有ります。

きっとスマホに集中していれば、自分がどのような格好で座っているなど意識することは無いでしょう。

背中を丸めた姿勢は見た目にも良くは有りませんが、動作効率も低下します。

背中を丸めた猫背姿勢になると、肩関節が巻き込んで前方に出てしまい、肩に繋がる腕が内側に回旋してしまいます。

真っ直ぐ立っていると手の甲が前方を向いて、あごを突き出して、最悪口が開きます。これは余り格好の良いものでは有りません。また、腕が内方に回旋した状態は「脇が開いた状態」となり、力を伝える際に腕と体で力の繋がりが分断されてしまい力を伝えにくくなります。

いわゆる「小手先の動き」となり、スマホの操作ぐらいだと問題は無いのですが、ちょっとした作業で肩がこったり、腱鞘炎になることが有ります。

これは、手で行う作業を上肢だけで行うので、その部分だけが負荷となり肩や腕の負担となるのではないでしょうか。

出来れば動作は、身体全体をダイナミックに動かし、身体のいろいろな筋肉や関節を参加させ何時も活性化させておきたいものです。

背中を丸めた猫背は、この姿勢の時点で脇が固まって動けない状態に陥っています。

以前にも書きましたが、脇には力が3つ。

使いようによって力が2倍にも3倍にもなる重要なポイントです。

その部分が固まって動いていないことは、力が発揮できない情況だということ。

手先の動作を手先だけで行い、体本体は作業に参加していない事になります。

この状態が体と腕が分離した状態といえます。

そこで猫背姿勢にならないように、胸を張って姿勢を維持しようとするでしょう。

 見た目は良くなるかもしれませんが、胸部がより緊張し脇の動きを余計に止めてしまいます。

運動効率だけであれば猫背姿勢のほうがまだましで、姿勢を整えるとパフォーマンスはより低下するでしょう。

しかし、猫背姿勢の小手先の動きはたいしたパフォーマンスにはならないので胸を張らずに猫背姿勢を改善したいものです。

そのためには、上腕を外旋(外向きに回旋)させる事が重要です。

猫背姿勢は肩が巻き込み、上方に上がっていますが、上腕の外旋により肩関節が後方に広がり、なおかつ肩が下がり、脇の締まった状態となります。

姿勢は見た目だけではなく、効率の良い動作が出来る形にしておきたいものです。