力を抜く身体目指し古武術稽古

脱力したら体は動かない、きちんと体を動かせた時力の存在は無くなる。そのために構えを創る事に全力を尽くそう。

体を動かす為には筋力以外に何があるか

体を動かす為には筋肉が収縮しなければ動きようが無いことは当たり前ですが、ほかに方法は無いのでしょうか。

例えば歩く時には脚の筋肉を収縮させて床を蹴り、その反発力で前方に進みます。

しかし、直立の状態から脚の前方の筋肉の緊張を緩めると身体が緩んだ方へ倒れて行きます。

そのまま脚を出さなければ、前方に転倒してしまうので転倒する前にどちらかの脚を緩んだまま、より前方に出せばつっかえになり倒れずに済みます。

これは身体が倒れるから脚を出すと云う、昔飛脚などが行っていた脚の運び方があったようです。

現在の歩行は、後ろに力を加えてその反発力で進む方法ですが、昔は前に倒れるから前に足が出る方法であり全く逆の使い方となります。

体の使い方として力を一旦後ろに向けて加えその反発力で前に出るよりも、初めから前に出たほうが効率が良いように思うのですが、子供の頃からの習慣を変える事は大変です。

このように体を動かす上で 筋力で体を移動させるか、もしくは重心の位置が変化することにより体の移動が可能となる場合も有ります。

筋力優先の今の世の中ではなかなか腑に落ちないかも知れませんが、体の重さというポテンシャルをもっと引き出し、活用できるのではないでしょうか。

重心移動を筋肉の緊張で行わないように力を抜く事で動くことが出来ると効率よく楽に体を動かすことが出来そうです。

ただ、現代人は「体を動かすイコール筋肉を緊張させる」プログラムが出来上がっており、体の力が抜けた時に体が動くプログラムが無いために理解不能になり、フリーズしてしまい余計体が固まってしまいます。

歩く時のように後ろに力を加える事と力が抜けて前に倒れる事は、全く正反対の行為であり、力が抜けたときに動こうとすればプログラムの修正が必要となります。

今までスイッチをONにすれば電気が点いていたことが当たり前だったのに、今からスイッチをOFFにすると電気が点き、ONにすると電気が消えると人は大変混乱するでしょう。

コンピュータならプログラムを書き換えた直後から変換できますが、ヒトの長年の習慣はそう易々と変わってはくれません。

ヒトにとってプログラムの書き換え程大変な作業はないですが「力を抜いた時に体を動かす」、そんなプログラムが身に付けば自分の体の使い方が格段に変わり、人や物に対する影響力も今までとは全く違う次元の出来事が見えて来るのではないでしょうか。