力を抜く身体目指して古武術稽古中

脱力したら体は動かない、きちんと体を動かせた時力の存在は無くなる。そんな時力が抜けたといえよう。

腰を入れるとは、安定しているのに動かし易い体勢である

人が普通に「立つ」場合、横から見ると腰は中央のラインからやや後方に引けている事が多く、いわゆる「ヘッピリ腰」状態になり易く、特に現代人はこの形に陥っている人が多いように思います。

腰が引けると身体に力が入りにくいことは、経験的に理解できるかと。

逆に身体に力が入り易い形が「腰を入れる」形となります。(力が入るについて後で補足します)

広辞苑には、腰を入れるについて①腰を下げて、体勢を安定させる。②本気になる、覚悟を決めてやる。と書かれています。

「腰を入れる」時は、ここ一番大事な場面で体勢を整えて状況を乗り切るための姿勢と捉えることができます。

広辞苑にあるように、体勢を安定させようとすると腰を下げると安定感が増します。

お解りのように重心が下がれば、物理的に安定します。

但し、実際には重心が下がっただけでは安定はしますが、動きにくくなるので使い物にはなりません。

安定している、なのに動き易い形。

安定と動き易いは相反する状況ですが、それを同時にできた時こそ、ここ一番大事なときに有利な体勢となるのです。

それこそが「腰を入れる」状態なのです。

始めに書いたように腰が引けた「へっぴり腰」でいくら腰をさげても、力が入りにくい形には変わりありません。

腰の入った安定した体勢は、腰の引けたへっぴり腰から腰を前方に引き出し、腰が身体の中央に収まる必要があります。

その上で腰を落としてはじめて「腰を入れる」状態といってよいのではないでしょうか。

これを読まれた皆様、いろいろな事象を乗り越える為に上記の事柄を心得て腰を入れて対処してください。・・・

と、云ってもそれだけでは絶対に腰が入る状態にはなりません。残念ながら・・・

そう簡単には腰は 絶対に 入りませんから。残念ながら・・・

相当な訓練が必要です。

訓練半ばの私の感覚では、まず腰が前方に出すことが出来ません。

お腹や恥骨を突き出すことは出来ても、それが腰を出したことにはならないのです。

安易にお腹や恥骨を出した体勢は、横から見て身体の線が一直線ではなく崩れてしまってます。

身体を崩さず一直線に腰を保つためには、腰を割る必要があります。

腰を割るとは解剖的にはありえませんが、左右の腸骨の外側を左右に引き剥がすと、仙骨あたりが前方にせり出てくるイメージです。

イメージは出来ても実際その様に腰を動かす事は非常に困難で、殿筋群とそれに相対する腸腰筋群のコントロールが難しいように思います。

次に、腰を真下に落とすことの難しさに直面します。

腰を下げるのではなく、腰を真下に落とすのです。真下とは、直線運動で腰が移動することでなければ落ちるとは言わない、その違いが難しいのです。

腰を下げようと思えば、膝を曲げれば腰は下がりますが、同時に骨盤が前方回転もしくは後方回転を起こし腰が前後に移動してしまい中心から外れてしまいます。

そこで股関節を開くと骨盤が締まり安定して腰を落とすことが出来ます。

左右の膝を大きく開き股関節を曲げることで腰は安定して落とすことが出来ますが、それでも腰が真下に落ちたとはいえないのです。

下肢の筋力でコントロールしている間は真っ直ぐ腰を落とすことが出来ないのです。

それは下肢の屈筋と伸筋とが働くと関節部で回転運動が起こり、直線で真っ直ぐ腰を落とすことが困難なのです。

ですので、下肢以外の筋力で腰を落とさなければなりません。

それは他ならない躯幹部(体幹部)の筋力しかないのです。

このように躯幹部(体幹部)の筋肉をコントロールして腰を割り腰を中心に据え、そして躯幹部で真下に腰を落とすことで目的が達成されます。

これらのことを正確に行うことは非常に大変です。残念ながら・・・

最後になぜ真っ直ぐ腰を落とす必要があるのかを書いておきます。

それは、真っ直ぐ落ちる腰の上には真っ直ぐに上半身が乗っているということになります。

上半身が真っ直ぐに乗っていれば、支える必要がありませんので筋肉を緊張させる事がなく「力の抜けた状態」になります。

上半身が傾いたり捻れたりしていること自体が、筋肉の緊張が発生していることになり、またその形を支えなければならず「力が入った状態」となります。

そして下肢の筋力も使わず腰を落としていれば、下半身も「力の抜けた状態」となり、身体全体が力の抜けた身体の動かしやすい状態となるが安定はしている体勢となるのです。

これからここ一番の大事な場面で力が入り易い形とは、力を最大限発揮出来る体勢だと思うのです。

そのためには、身体が安定していて、なおかつ出来るだけ力が入っていない、力が抜けている状態であればあるほどポテンシャルを引き出せるのではないでしょうか。