力を抜く身体目指し古武術稽古

脱力したら体は動かない、きちんと体を動かせた時力の存在は無くなる。そのために構えを創る事に全力を尽くそう。

タニヤプラザのゴルフクラブに圧倒の古武術オヤジ

ゴルフと言えば、「タニヤプラザ」タイのバンコクでは聖地です。

あるゴルファーの日記@タイランドさんのblogで大戸屋がピンチの記事を読み懐かしく思いました。

バンコクは年一回程骨休みに向かいますが、今年はさすがに行けません。

BTSシーロム駅直結のタニヤプラザからパッポン通りに繰り出すと書けば怪しいですが、夫婦で向かえば怪しさも全く関係ありません。

全館ゴルフショップという壮大な館に一軒だけタイ民芸品とセラドン焼(タイ南部の焼物)のお店が妻のお気に入りで、そのあとパッポン通りにあるナラヤ(バンコク定番土産屋、どの支店も一杯なのにここはガラガラ)でお買い物。

あのエリアでそんなコースを辿る人は珍しいでしょう。

妻のお買い物の間、ゴルフショップをちらちら見て回りますが、あれだけのゴルフクラブが売れるのだろうか?また、必要なのか?と普段行きつけないショップを見ながら感心していました。

それだけ、クラブの特性があり違い、状況に応じて使い分ける。ご自分のスウィングとクラブの特性が一致した時の気持ち良さはなかなか言いがたいものがあるでしょうね。

ただ、それをあれだけの中から探し出すことは大変な様な気がします。

武術でも、居合術では居合刀、剣術では、太刀、小太刀、実手はたまた薙刀等の得物の道具を扱います。

我が愛刀(居合練習刀)は二尺四寸五分(約74cm)目方は780g程です。

長さは身長に対してだいたいです。また刀身の形状もいろいろある様ですがあまり気にしたことがありません。

剣術の稽古は、木刀で小太刀は55cm程から薙刀になると200cm程になります。

ゴルフと同じ様に状況によって使い分けますが、とりわけ剣術では、得物の特性に身体を合わせていきます。ゴルフの様に自分の特性とクラブの特性をマッチングさせるのではなく、得物の特性に身体を合わせていきます。

そのためにも、体の特性を消す作業が必要になります。

身体の特性(扱い癖や力の入れ方など)を極限まで削ぎ落とし、獲物を操作することで道具のポテンシャルが最大限生かされます。

個人の個性が出てしまうと、道具本来の働きが消されてしまいますが、個人の特性が削除された動きは、道具本来の動きが生まれ最大の働きをしてくれるのです。

個性を出さない、道具本来の働きなどと書くと、扱う本人は何もしないほうが良い印象を与えますが、全く逆で道具を扱うために最大限身体を働かせなければなりません。

例えば、55cmの小太刀と200cmの薙刀では、扱い方の質を変えなければ道具の特性が生かされません。

扱い方の質を変えるとは、55cmの短いものと200cmの長いものを同じ身体の使い方では質が変わるとは言えず、短いものを長く扱ったり、長いものを短く扱う身体の操作が要求されます。

ゴルフの様に状況に応じて、特性の違うクラブをチョイス出来ればその様な必要はないのでしょうが、討ち入り等の実戦の場面では屋内外など色々な場所で70〜80cmの太刀を同じ様に扱っていては使い物にならない事は想像できます。

六畳間で太刀を振れば、相手を斬る前に天井や鴨居に当たってしまい、太刀の能力を引き出す事は困難です。

道具を単純に扱うだけでなく、道具の特性を最大限引き出す身体の使い方、それは最大限体を使い、動きを紡ぎ出し、道具に干渉しないほどの力を伝える事。

その微細な力が道具本来のポテンシャルを最大限発揮する原動力となるのです。

早くそんな力の使い方が出来る様になりたいものです。