お辞儀をする人の横から他の人が腕に巻きついた(抱きついた)状況があったとします。
普通はこの状況からお辞儀をしようとすれば、巻きついた人が邪魔になり体を前方に倒すことが出来ません。
しかし、協調されたお辞儀が出来れば巻きついた人共々前方に体が倒れ、巻きついた人はそのまま前下方に崩れてしまいます。
普通は巻きついた人に制御されてしまいますが、強調されたお辞儀は人を制御することが出来るのです。
見た目にはほとんど違いはわかりませんし、科学的分析に対しても評価が大変困難となるでしょう。
違いのポイントは、動き方に対して動きを感じる感覚をコントロールしていることです。
普通のお辞儀は、腰を折りますので腰を中心に上半身が回転運動を起こします、すると腰の部分の回転速度と肩の部分の回転速度に違いが生じます。
また、腰が動き出してから肩が動き出すまでにタイムラグも生じます。
腕に巻きついた人は、これらの速度差や時間差を感じ取る事が出来るので、経験的に動きの予測がつき、その予測に基づいて態勢を整え安定した状態を自然に作り出します。
結果的に腕に巻きついた人は動きの予測をし、その動きに対して安定するように対応しているのです。
ですから、動けば動くほど人は安定しようとしますので余計に動きを制御されてしまいます。(安定する力以上の力で動けば動きますが、それは技ではないと思います)
逆に協調されたお辞儀は、予測が困難な動きといえます。
上半身が前方に倒れる動きは、腰の回転運動の結果倒れるのではなく、腰、背中、肩、首や頭など上半身のそれぞれの部分がそれぞれ下方に動きます。
(下方に動くと同時に前方に重心移動が起こるので、動きは、下方と前方の合成された前下方となります)
また、下方に向かう移動距離はそれぞれ異なります。
単位時間あたり、腰は少ない距離ですが、頭はたくさんの距離を動く事で真っ直ぐ上半身が倒れることが出来ます。(それぞれの部位の動き出すスタートが一致し、それぞれが同時にゴールする動き)
このように同時にそれぞれが異なった動きをして一致した結果上半身を倒すことが出来ると回転運動が直線運動に近づき、直立した位置から前屈した位置まで最短距離で移動することが出来ます。
(上半身のそれぞれの動きが直線的に動くためには、胸の働きがなければ真っ直ぐ動くことが困難ですがそれは後ほど・・・)
この様に無駄な動きを排除し直線的に動くと速度差がなくなり、それぞれが同時に動き出すと時間差もなくなります。
人は速度差や時間差などを頼りに、動きの感覚を感じ取りますが、速度差や時間差が感じる前にいきなり動かれると、どのように動いたのか混乱してしまい対応できなくなってしまいます。
対応できないということは、動きに予測がつかないのでどのような動きに対してどのように体勢を保持すれば良いかが理解できないままに、抵抗もできず動かされるままに動かされてしまう結果となります。
お辞儀をする上半身は全てが下方に動き、上半身が前方に倒れるため重心が前方に移動します。
したがって、腕に巻きついている人共々下方と前方の合成された前下方に倒れていきます。
感覚として力ずくで倒されると、引っ張れれたと感じ取ることができますが、強調した動きで動かれると、何が何だかわからないが倒れてしまった様になります。
申し訳ありません。
よくわからない説明になってしまいました。
結局、力を入れなくても人を動かすことが出来る一例を挙げたっかったのですが。。。
そうゆうこともあるってことで、終わります。